私、就職のために19歳で上京し一人暮らしを始めました。

当時、美容学校の友人たちがいたのですが皆火曜日休みの

お店に就職しましたが、私の会社は年中無休のお店で

公休は交代制で私がもらえた休みは毎週月曜日。

せっかくの休みでも遊んでくれる友人がおらず

つまらないからこの機会に本でも読んでみようかなって。

小学生の頃からほぼ毎日立ち読みに通ってた本屋さんに

５月のとある休日に埼玉の実家に帰り、慣れ親しんだ

本屋さんに顔を出すと顔見知りの店長さんが

最近見ないね、どうしたの？って。

これこれこうで今は三鷹に住んでるんですって。

で、暇なので本を読んでみたいけど今まで漫画しか読んだことないから

何か読みやすくて面白い本ってないですか？

じゃあこれは？と紹介してもらったのが景山民夫の

「トラブルバスター」という小説でした。

三鷹に帰り読んでみたら、本ってこんなに面白いのか！？

もうね、感動しましたよ。

色も匂いも暑さも音もみんなあるの！

映像が浮かぶってやつ？

内容は省きますけどとにかく面白くて一気に読みました。

この景山民夫ってすごい！！

今度は三鷹駅付近の本屋さんに行き景山民夫の本を探したら

けっこうあるのね。全部読みたいけどお小遣い少ないから

月に１冊づつくらいなら買えるかなってことで

少しづつ揃えました。

小説もエッセイもとにかく面白くて、知識もいっぱい増えて

頭が良くなってように感じました。

ほとんど全部揃えたし、同じ本を何度も読みましたね。

しかし20代いっぱい景山民夫の本で満たされていた私ですが、

98年1月になんと景山民夫さん、自宅が家事で亡くなってしまったのです。

もうショック！！超ショック。民夫ロス。

これからどうしたらいいのだろう。

しならく本は読まなくなりました。

あれから20年以上経ち、本の面白さを知った私はまたハマれる作家を探し

いろいろ読んで今では浅田次郎、有川浩、喜多川泰、東野圭吾、池井戸潤...

また本屋さんがおすすめしている本などもちょこちょこ読むようになりました。

おかげ様ですっかり本がなくてはダメになりました。

で、先日ふとお客さんと本の話になり景山民夫を思い出し

ネットで調べたら全部持っていたと思ってたけど知らない本があったんです。

しかし没後20数年経ってもまだネットでは販売してたんですね。

早速届いてパラパラめくったら5冊中3冊は持ってました。

人の記憶なんていい加減なもんですね。あらら。

でもいいの。思い出しながら全部読む。

でも生前のエッセイで「自分が死んだ後に作品が世に出るって耐えられないよね」って

あったんですけど、亡くなってから数冊出版されてました。

天国で怒ってるかしら。

でも読者は喜んでるから怒らないでね。

本が好きになったきっかけをくれた本屋さんの店長さん、

景山民夫さんがいなかったら本の面白さを知れたかどうかわかりませんね。

あの時あの場所で出会ったから今につながってると思います。

これからももっといろんなことを知ってみたいと思います。